01-007 自益信託とは?

自益信託とは?

自益信託は課税されない

自益信託とは、委託者と受益者が同一である信託のことをいいます。この場合、委託者から受託者へ所有権は移転しますが、経済価値の帰属する者は変わりません。したがって、経済価値の移動は発生していませんので、信託を設定しても贈与税が課されることはありません。
例えば、認知症で判断能力が低下しそうな父親が、賃貸不動産の管理を長女に任せるケースを考えます。長女が受託者になりますが、受益者を父親とすれば自益信託となります。認知症になっても信託によって財産管理ができます。
家賃収入等から生じる利益を父親が受け取るならば、信託を行った後でも父親が利益を受け取る状態に変化はありません。したがって、父親には贈与税は課されないのです。
受託者である長女には毎月の家賃が支払われますが、それは長女が一時的に預かるだけであり、受益者である父親に引き渡さなければなりません。
以上のように、自益信託は、法的形式だけが移動して、経済価値が移動していない状態なのです。

受益者が得る収益に対する課税

このようなケースでは、信託の設定時に贈与税が課されることはありません。しかし、信託財産となった資産及び負債(預り保証金)を受益者が保有することとみなし、そこから発生する利益(=収益及び費用)が受益者に帰属するとみなされます。
したがって、所有権を失った父親に対して不動産所得が発生し、それを受益者である父親個人の所得(例えば、給与所得、事業所得など)と合算したうえで所得税が課されることになります(ただし、不動産所得に係る損失については規制があります。)。

自益信託とは

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