01-008 他益信託とは?

他益信託とは?

他益信託は課税される

他益信託とは、委託者と受益者が異なる信託のことをいいます。この場合、委託者から受託者へ所有権が移転すると同時に、経済価値の帰属する者が変更されることになります。したがって、経済価値が移動することになり、信託を設定することによって受益者に対して贈与税が課されることになります。
例えば、障害者の長女を持つ父親が、賃貸不動産から生じた利益を長女に受け取らせるケースを考えます。受託者は必ずしも第三者である必要はありませんので、委託者である父親が受託者となることが可能です(自己信託)。この場合、受益者を長女とすれば他益信託となります。
その結果、家賃収入等から生じる利益は父親ではなく長女が受け取ることになりますから、信託を設定することによって、父親から長女へ利益を受け取る権利が移転します。したがって、長女に対して贈与税が課されるというわけです。
受託者である父親には毎月の家賃が支払われますが、それは父親が一時的に預かるだけであり、受益者である父親に引き渡さなければなりません。
以上のように、他益信託は、法的形式だけでなく、経済価値が移動している状態なのです。

受益者が得る収益に対する課税

このようなケースでは、信託の設定時に贈与税が課されます。さらに、信託財産を受益者が保有し、そこから発生する利益は受益者に帰属するとみなされます。
したがって、受益者である長女に対して不動産所得が発生し、それを長女個人の所得と合算したうえで所得税が課されることになります(ただし、不動産所得に係る損失については規制があります。)。

自益信託とは

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