01-020 信託と種類株式の比較

信託と種類株式の比較

自社株式の信託

自社株式を信託すれば、その経済価値である受益権を生前贈与し、議決権指図権を継続保有することによって、会社支配権の移転を留保することができます。例えば、まだ経営権を与えるには未熟な後継者に対して先行して自社株式を贈与したいと考えるケースです。
ただし、このように自社株式の経済価値から議決権を切り離す手法は、信託に限ったものではなく、無議決権株式や拒否権付株式など種類株式の発行によっても同様のスキームを作ることができます。

自社株式の信託は手続容易で登記不要

種類株式の発行には、株主総会での特別決議や特殊決議、種類株式の内容の登記が必要です。また、既存株主の株式の種類を変更するには、全株主の同意が必要となります。一方、信託であれば、当事者間の契約のみで効力が発生します。また、登記を行う必要がないため、支配権の所在を第三者に知られるおそれはありません。

拒否権付株式には問題が伴う

後継者へ自社株式を贈与しつつも、重要な意思決定だけ影響力を残したいと考える場合、株主総会の決議を拒否する権限を付与した種類株式(拒否権付株式)を発行することが考えられます。
しかし、拒否権付株式を発行しますと、普通株式の株主が積極的に意思決定することができなくなり、株主間で対立する原因となります。また、拒否権付株式を後継者以外の者が相続してしまわないように事前の対策(生前の株式消却など)を講じる必要があります。
これに対して、信託であれば、会社に対する影響力は議決権指図権という形でその所在が明確になるため、これらの問題が生じるおそれはありません。

種類株式を発行する場合

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信託の場合

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