02-010 一般社団法人・財団法人への財産の移転

【1】 一般社団法人へ移転する財産に係る譲渡所得税

個人の相続税対策の手法として、個人資産を一般社団法人へ移転させようとする場合、最初のハードルが資産を移転する際の課税の問題です。
個人が、一般社団法人へ資産を寄附や贈与(遺贈)した場合、その資産の時価をもって譲渡があったものとされます。無償ではなく、著しく低い価額によって譲渡した場合も同様です。したがって、資産の時価を譲渡収入とみなし、利益が発生すれば譲渡所得が発生します。
例えば、高齢の父親が相続財産を減らすために、一般社団法人に対して、財産1億円を寄附するケースを考えましょう。現金1億円であれば問題ありません。しかし、有価証券や不動産の場合、売却益によって譲渡所得が発生することがあります。その場合、所得税が課税されることになります(所得税法59条)。

【2】 財産を取得する一般社団法人の法人税

一般社団法人が、個人から資産の寄附・贈与(遺贈)を受けた場合、受贈益が益金算入されて法人税等が課されます(法人税法22条)。これは当然です。

【3】 一般社団法人による租税回避防止のための課税

一般社団法人への贈与や遺贈によって、贈与者等の親族の贈与税又は相続税が不当に減少すると認められる場合には、法人を個人とみなして贈与税又は相続税が課されます(相続税法66条4項)。個人が相続税対策を目的として一般社団法人を活用するケースのほとんどは、この要件に該当すると考えられます。
しかし、すでに法人税等を支払っていますから、そこに贈与税又は相続税が課されますと、二重課税となります。そこで、すでに支払った法人税等は、支払うべき贈与税又は相続税から控除するものとされています。

一般社団法人・財団法人への財産の移転

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