02-011 一般社団法人・財団法人と会社の従業員承継

【1】 従業員への事業承継

近年、後継者不在のために従業員へ事業承継するケースが増えてきていますが、株価の高い会社であれば、従業員に買取り資金がないことが問題となります。また、運良く資金調達することができたとしても、その従業員から次の世代に承継するときにも同様の事業承継問題が生じます。
この点、株式会社の所有と経営を分離させ、オーナーの親族内で株式という個人財産を承継するとともに、経営権は従業員に承継するという方法が考えられます。
しかし、親族が株式の所有を続けますと、株主の相続のたびに株式が分散してしまう可能性があります。

【2】 一般社団法人を会社の安定株主とする

そこで、株式会社の株式を一般社団法人に移転しておくのです。すなわち、一般社団法人が株式会社の株主となるのです。そうすれば、親族内の相続があっても社員の交代だけで済み、株式の分散を防ぐことができます。
従業員へ承継した株式会社のその後の展開として考えられるシナリオは、従業員持株会を作って、そこへ株式を譲渡していくことです。この場合、議決権比率が低いうちは配当還元方式を使うことができます。
また、逆に従業員持株会から脱退する従業員から株式を買い取るときにも、原則的評価による必要はなく、配当還元方式によることができます。

【3】 一般社団法人の社員の交代

一般社団法人が保有する株式は、従業員持株会又は後継者個人へ売却して現金化することが基本です。しかし、経営から離れたオーナーの親族が、株式を無償で手放してもいいと考えるのであれば、一般社団法人の社員の地位を、株式会社の従業員後継者へ交代すればよいのです。

一般社団法人・財団法人と会社の従業員承継

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