家族が勝手に土地を売ってしまった!【不動産オーナーが知っておくべき節税策ベスト100選】

子供に土地の売却を任せていたら?

父親は土地の売却に迫られていましたが、病気で入院することになったため、未成年の子供に土地売却を任せました。つまり、父親は子供に代理権を付与して(委任状を書くことになります。)、子供に売買契約を締結させると、父親が売主となるということです。
しかし、未成年者(年齢20歳未満の者→18歳未満に改正予定)は制限行為能力者であるため、法律行為を行っても、原則として、取り消すことができます。とすれば、いったん成立した売買契約を父親は取り消すことができるのでしょうか。

この点、未成年者の法律行為を取り消すことができる制度は、未成年者を保護するためのものでした。しかし、このケースでは、土地売買で損害を受ける可能性があるのは売主である父親であり、未成年者が損害を被るおそれはありません。また、父親は自ら委任状を書いて子供に土地売却を任せているのです。
したがって、父親はこの売買契約を取り消すことはできません。

家族が勝手に土地を売ってしまった!

父親は何となく土地を売ろうかどうしようか考えていました。まだ、土地売却を決意したわけではありません。それ状況を家で見ていた子供が、「私は父の代理人です。」と言って、友人との間で勝手に土地の売買契約を締結したとしましょう。父親は土地を売らなければいけないのでしょうか?

原則的な考え方は、代理権が無いわけであるから、父親は土地を売る必要はないというものです(無権代理行為)。3,000万円で売ろうかと思っていた土地が、子供の売買契約には1,000万円となっていたとしましょう。この場合、1,000万円で売るはずはないですから、父親は売主にはなりません。
しかし、父親としては、売ったほうが有利だという場合もあります。たとえば、予想を超えて、子供の売買契約には5,000万円とされていたとしましょう。この場合、喜んで売りたいと思うはずですので、売買契約が子供の勝手な行為であったとしても、それを追認することができます(追認権)。つまり、父親が売主となることができるのです。

それに対して、何も知らずに売買契約を締結した友人は、かわいそうです。父親から「代理権など与えていない、土地は売らんぞ!」と言われてしまうおそれがあるからです。
そこで、既述のような追認権に着目し、「追認しますか、追認しませんか?連絡してください。」と父親に対して連絡せよと催告することができるのです(催告権)。父親は、「誰だ、こいつは!?契約なんてしてないぞ、気持ち悪いな、無視しよう。」となるはずです。催告を無視すれば、追認しないこととなるため、父親が売主になることはありません。
逆に、何もしならかった友人が冷静に価格を再検討した結果、市場において3,000万円前後で取引されていた土地を5,000万円で買ってしまったことを知りました。その場合、買主である友人は、売買契約の取り消すことができます(取消権)。ちなみに、買主の取消権と売主の追認権は、早いもの勝ちです。売主に追認された場合は、もはや買主のほうから取り消すことはできなくなってしまいます。父親からすれば、3,000万円の土地を5,000万円で売ることができ、「棚からぼた餅」となりました。

結果的に、何も知らなかった友人は本当にかわいそうです。買うと決意していた土地を買うことができなかったわけですから。それゆえ、友人は、勝手に売買契約を締結した子供に対して責任を追及し、土地を引渡すように請求する、または、損害賠償を請求することができます。