資産運用で重要な目標利回りとリスク許容度の関係とは?

目標利回りとリスク許容度

目標運用利回りの設定は、投資意思決定において重要なプロセスであす。十分な資産を持っているのであれば、無理に投資しなくてもよいですが、生涯目標を達成するための資産が不足する場合、高い目標利回りを設定することが必要になります。

リターンとリスクのトレード関係

目標運用利回りを設定することができれば、資産配分方針を決めることができます。高い目標運用利回りを必要とする場合、そのリスク許容度を考慮し、リスクとリターンのトレードオフの観点からその可否を判断する必要があります。目標運用利回りを実現するためのポートフォリオが、リスク許容度の範囲内に収まらない場合、目標運用利回りを下げるようにしなければならないでしょう。

目標利回りの設定

目標運用利回りを設定するためには、ライフイベント表と個人キャッシュ・フロー表の作成が不可欠です。それによって、将来の収入と支出の予測を行い、金融資産投資によって、資金不足に陥ることがないように、目標運用利回りを慎重に設定する必要があります。
この次に重要なものが、リスク許容度である。リスク許容度とは、お客様が金融資産投資に伴って負担可能なリスクの大きさのことをいいます。通常、投資期間がリスク許容度を決定する最大の要因となります。また、過去の実績や現状のポートフォリオの資産配分の状況などもリスク許容度を決定する要因となります。

一般的に、投資期間を長期化すれば目標運用利回りの達成確率は高くなるものです。有価証券に長期投資しますと、短期投資に比べて収益のフレ具合が小さくなり、安定的収益を得ることができます。過去40年間について東京証券取引所1部上場銘柄全体の投資収益(年当たり)を投資期間別に見ても、1年投資の場合は最高72.1%、最低(-)24.8%であり、その開きは96.9%にも及んでいますが、30年保有すると最高12.8%、最低6.8%であり、その開きは僅か6.0%となっています。

【投資期間別にみた株式投資の年平均収益率】
目標利回りとリスク許容度

リスク許容度の考え方

リスク許容度の測定においては、相場が下落した場合、どの時点で損切りを行うかを明確にしておかなければなりません。これは、どの程度の投資損失が発生したときに、資産運用を中止しようと考えるのかという、撤退基準のことです。
リスク許容度に影響を与える要因は以下の通りです。

運用期間 年齢やライフイベントによって運用期間が決まる。
運用期間が長くなれば、リスク許容度が高くなる。
保有する資産の流動性 保有する資産の流動性が低い場合、将来の支出のための準備が必要となるため、リスク許容度は低くなる。
負債比率 借入金を使って投資を行う場合、損失によって家計が破綻する危険性があるため、リスク許容度は低くなる。
金融資産以外の所得 金融資産以外の所得が大きければ、リスク許容度は高くなる。
同様に、生命保険によって家計がカバーされていれば、リスク許容度は高くなる。
投資に対する個人の考え方 リスクの選好度合いによってリスク許容度は異なる。
安全性を好むのであれば、リスク許容度は低くなる。

例えば、40歳のお客様に老後生活資金として5,000万円あり、老後誠意かつ資金用に積み立てることができる金額が月20万円であるとしましょう。このお客様が60歳までに積み立てる資金の合計額は、20万円×12ヵ月×20年=4,800万円です。これらによって60歳のときに2億円の老後生活資金を作りたいとすると、期待リターンの組み合わせの例としては、5,000万円は税引き後利回り5%、積み立ては税引き後利回り3.1%で複利運用されていけば、60歳のときに利息を足し合わせて2億円という目標を達成することが可能となります。ただし、5%という利回りで運用するためには、それに応じたリスクを取らなければなりません。また、給与所得や保有資産の規模、住宅ローンなどの負債依存度、投資の経験などによって、お客様のリスク許容度も異なってきます。もし5%に見合うリスクが取れないのであれば、消費支出を10万円節約して毎月の積立額を30万円に増やしたうえで、全ての資金を3.2%で運用することができれば2億円の目標を達成することができることとなります。