【曽根惠子の相続コラム】遺言書はこっそり作らない

遺言書があってももめてしまう

遺言書があればもめない相続ができると思いたいところですが、現実には、「遺言書があったことでもめてしまった」ことが多々あります。
なぜかというと、遺言の存在を知っていたのは相続人の一部であることが多く、また、遺言書の内容が特定の相続人に偏っているからです。
たとえば、「相続になったとき、同居する長男が亡くなった父親の遺言書を出してきた。遺言書は、“長男に全財産を相続させる”という内容だったが、他の相続人は遺言書の存在は一切知らされていなかった」というようなことがよくあります。

誰かが書かせたと思わせると

こうした場合、長男以外の相続人は、父親が自分の意思でその遺言書を書いたとは思わず、長男が財産を独り占めしたいために父親に遺言を書かせたとしか思いません。生前には父親から別の分与の話を聞いていたり、預貯金はみんなで分けるようにと言われていたような場合はなおさら、長男が書かせたと思うはずです。
自筆遺言書であれば、「筆跡が違う」などという疑いも出てきます。公正証書遺言であったとしても、「父親は認知症で遺言できる状況ではなかった」という指摘がされたり、裁判で筆跡鑑定や遺言の無効を主張されたりすることもあるほどです。
当然、長男に偏っていれば、遺留分減殺請求もできますので、財産を公開するようにと長男に言っても、預貯金の額を教えず、通帳なども見せないと言われることもよくある話で、最初から喧嘩腰ということさえあります。こうなると遺言書があったために、かえって悪感情を引き出してしまう結果になりかねません。

疑心暗鬼を引き出さない作り方が大事

こうした現状を教訓を引き出すのであれば、「遺言書はこっそり作らない」ことが大事だということです。いままでの遺言書は、「こっそり書いて、誰にも見つからないように隠しておく」というイメージでしたが、これではうまくいきません。争いのない相続を用意しようというのであれば、遺言書は相続人全員に作ることや内容をオープンにしておくことが必要です。これができていないとせっかくの遺言書が仇になることもあるのです。
「本人が相続人に伝えておく」ことが疑心暗鬼を引き出さない、最良の対策になると言えます。

【もめない遺言書】を残す秘訣

遺言書はこっそり作らない

誰かが作らせたという疑いはもたせない 全員に知らせておく

遺産分割は公平にするのが無難

遺留分には配慮しておく、付言事項を活用する

公平に分けられないときは理由を明記する

付言事項を活用し理由や意思を書いておく

財産のことだけでなく、感謝や気持ちも残す

全員に向けたメッセージや思いは最良の説得材料になる

※配慮のある遺言書”があれば深刻なもめ方はしない

相続のご相談は【相続コーディネート実務士 曽根惠子】へ

執筆者紹介

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曽根恵子 (そね けいこ)
株式会社 夢相続 代表取締役
公認不動産コンサルティングマスター/相続コーディネート実務士

日本初の相続コーディネーターとして13,000件以上の相続相談に対処。
感情面・経済面に配慮した”オーダーメード相続”を提案し、
家族の絆が深まる「夢相続」の実現をサポートしている。

【主な著書】
『相続税は「不動産」で減らせ』『円満な相続には遺言書が必要!』等 44冊

【テレビ出演】
NHK「あさイチ」「ゆうどきネットワーク」 TBS「はなまるマーケット」
フジテレビ「とくダネ」「ノンストップ!」など

【新聞・雑誌】 
日経・MJ・読売・朝日・産経・プレジデント50+
週刊ダイヤモンド・など 多数のメディア取材に協力している

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