民事信託を活用した認知症対策や遺産分割対策

民事信託を活用した認知症対策や遺産分割対策

遺産分割の悩み

・遺産分割が難しい理由
・またその理由の1つとして、認知症になってしまった場合に本人の意思を満たした分割をしてくれるかわからない
・これらの悩みを解決するのに、民事信託がとても有効

民事信託とは何か?

信託とは「信じて託す」こと

信託とは、「信じて託す」すなわち個人が持っている財産を守りながら、それを人に預けることです。具体的には、本人が自分で財産を管理することに不都合が生じた場合、それを人に財産を預け、預かった人がその財産の管理を行いながら、そこから生じた便益を本人に渡してあげる仕組みのことをいいます。

投資信託をイメージしましょう

「信託」と聞いて馴染みがないとおっしゃる方が多いと思います。しかし、実は読者の皆さんも日常的に信託の仕組みを活用しているのです。
証券会社で投資信託を買ったことがありませんか?実は、投資信託は「信託」の仕組みを使って、金融機関に皆さんの資金を「信じて託して」いるのです。
金融商品としての投資信託は、投資家から預かった資金を使って株式や債券などへの投資を行い、そこから獲得した利益を投資家に分配する仕組みです。
その際、資金を運用したいと考える投資家は、直接に株式や債券を購入しているわけではありません。投資信託の受益証券を購入しているのです。すなわち、投資の専門家である運用会社が行っている株式投資や債券投資に参加して、株式や債券への投資から生じた利益を受け取る権利だけを購入しているのです。
これによって、数多くの投資家から多額の資金を集めることによって、効果的かつ効率的な金融商品投資を行うことができ、個人単独で投資する場合よりもリスクを抑えつつ高い利回りを期待することができます。
複雑でわからない、難しい、馴染みがないと思われている「信託」ですが、実は皆さんはすでに「信託」の受益権を購入し、日常生活ですでに活用している仕組みなのです。

civi01

信託がなぜ相続対策に有効なのか?

相続対策の3本柱の一つ

相続対策には三つの柱があります。①円満な遺産分割、②納税資金の確保、③相続税対策です。資産承継対策はこの順序で検討しなければなりません。つまり、遺産分割が最も重要な課題なのです。

civi02

遺産分割とは何か

保有する財産が容易に分割できない資産であった場合、遺産分割の問題が発生します。例えば、大きな自宅、賃貸用オフィスビル、賃貸用マンションです。また、非上場の自社株式も分割すれば支配権争いの問題をもたらします。
民法は「法定相続分」を定めていますが、必ずしも法定相続分に応じた遺産分割を行う必要はなく、相続人による遺産分割協議によって分けることもできます。これは遺言書がある場合も同様です。遺言書と異なる分割も可能なのです。それゆえ、遺産分割を巡る相続人間の争いは避けられません。
この点、遺産分割の争いを避けるため、相続人の中の1人に集中して承継させようとすれば、他の相続人の遺留分の侵害という問題が発生します。
これに対して、分割せずに仲良く共有という発想もあります。しかし、資産が共有している状態では、各人が資産を自由に使用収益及び処分することが出来ません。

civi03

遺産分割における信託の有効性

そこで、有効な手段となるのが信託です。親族間で信託契約を締結すれば、法的な所有者を誰か1人に集中させることができる一方で、経済的な利益を享受できる権利を複数の人たちで共有できるのです。これによって、経済的に共有されている資産であっても、1人の意思によって自由に使用収益及び処分できるようになります。

信託と成年後見制度の違い

成年後見を活用した対策の問題

今日本では加速度的なスピードで社会の高齢化が進んでおり、それに伴って認知症に罹患される方の人数も大きく増えています。
そのため、ご自身の相続対策を行う場合は、万が一ご自身が今後認知症に罹患してしまった場合にどうすれば良いのかも考えておいたほうが良いでしょう。

認知症など判断能力が低下した高齢者を支援する制度として、成年後見制度には法定後見制度と任意後見制度がありますが、いずれも家庭裁判所の関与が不可欠です。
一般的な財産の管理や処分については成年後見人が行うことができますが、成年後見人は常に家庭裁判所の監督下にありますので、財産保全を行う以外の行為を行うことはできません。
例えば、親族が事業に失敗して多額の債務を背負う事態になってしまっても被後見人の財産を使って資金援助することができません。
また、孫などの親族に教育資金等の贈与を行うといったこともできません。つまり、家族のために被後見人の財産を消費することができないのです。
さらに、被後見人の配偶者が死亡したとき、その遺産分割において、後見人は必ず遺留分の主張をしなければなりません。
しかし、このような過度の財産保全は、被後見人の本意ではないでしょう。

成年後見と比較した信託の有効性

このような問題が伴うため、成年後見制度よりも信託を活用するほうがよいと考えられます。信託であれば、過度の財産保全を求められることなく、委託者の意思を実現することができます。家族のために使うことや、相続対策を実行することも可能です。高齢者が判断能力を失うまでに信託しておけば、受託者は委託者の指示に従わなければなりませんし、判断能力を失った後でも、信託契約に従って財産を管理することになります。
高齢者の希望を実現するために、自由に財産管理を決めることができるため、信託の活用が効果的なのです。

civi04

PAGE TOP